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千葉青年司法書士協議会

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会長声明

貸金業規制法等改正案に反対する緊急会長声明

平成18年9月9日
千葉青年司法書士協議会
会長  古田善宏

当協議会は,千葉県内の司法書士80余名で構成する任意団体である。日々の活動を通じ多重債務問題に取り組む中,今般の貸金業規制法等改正の動向に対する重大な懸念から次のとおり緊急声明を発するものである。

多様な現在の貧困問題の中で,高金利が貧困の重大な原因であることはかねてより指摘されていた。格差社会といわれる我が国の中で経済的に困窮した「負け組」が高金利業者から借り入れをし,さらなる格差が生じている。経済苦を理由にする自殺者が年間8千人にのぼり,年20万人近い人が破産者となっている。この多重債務問題を生み出す元凶である高金利を「例外なく利息制限法の上限金利まで引き下げるべき」ところ,貸金業制度及び出資法の上限金利の見直しを検討していた金融庁は,本年9月5日,貸金業規制法の改正案を自民党の金融調査会や法務部会などの合同会議に対し,貸金業界の上限金利を利息制限法の上限(元本により年15~20%)に一本化し,出資法の上限(年29.2%)は年20%に引き下げてグレーゾーン(灰色)金利を撤廃すると正式に伝えた。しかしながら,施行日までに1年,経過期間3年及び少額・短期の融資などに認める特例金利を年28%とする特例措置を最長5年とし,その9年間はグレーゾーン金利は温存されることになっている。

しかも,利息制限法の金利区分を変えることにより,10万円以上50万円未満で2%幅,100万円以上500万円未満で3%幅の利上げとなるなどの規定が盛り込まれているなど,銀行金利等の市場金利との比較において,利息制限法の制限金利自体も引き下げるべきと叫ばれている中,看過し得ない内容である。特に問題なのは,特例金利を長期間温存することにより,現行法で認められている利息制限法の利率に基づく法定計算による過払い金の返還要求すら許さなくしている点である。これでは多重債務者の救済は現状より困難となり,改悪となることは明らかである。

本年8月24日に開催された金融庁の貸金業制度等に関する懇談会では,特例措置の導入に反対の意見が委員の大勢を占めていたのであり,金融庁の検討結果は,「30万円」又は「50万円」の少額短期,事業者についての数百万数ケ月,それぞれ20%台後半の特例金利を認めるもので,懇談会の意見を無視するものである。

さらに,300万人を超える高金利引き下げの署名,39都道府県及び870を超える市町村議会の高金利引き下げの意見書に現れた多重債務問題を早期に解決しようとの国民の声に逆行するものでしかない。

今回の改正は,多重債務問題の解決のため,最高裁で相次いで示された貸金業規制法43条(グレーゾーン金利)を否定し,利息制限法での救済を諮ったことを踏まえた内容であるべきである。

千葉青年司法書士協議会は,上記理由により,今回の法改正に対し,強く反対を表明するものである。